大小20あまりの島が浮かぶ天草・松島。白い砂岩と松がおだやかな海を彩るさまは、日本三大松島のひとつに数えられています。橋を渡りながら見る風景も美しいのですが、せっかくなら普段のドライブルートでは見ることのできない美景を楽しみたいものです。小高い丘からせり出す「天草 天空の船」は全館オーシャンビューのリゾートホテル。約5000坪の敷地にはその名の通り〝天空に浮かぶ船〟をイメージした本館や、3棟の離れが点在し、極上のくつろぎを演出してくれます。

本館2階のレストラン「Festa del mare(フェスタ デル マー)」は、天草の魚介と熊本県産有機野菜をたっぷり使った天草イタリアンを味わう店。宿泊すれば夕景のなかでディナーを楽しむこともできますが、今回は週末だけのランチを予約しました。

島々を望む窓辺の席には、「高浜焼 寿芳窯」にオーダーした「海松紋(みるもん)」のプレゼンテーションプレートが置かれています。中世貴族の食卓で特別なゲストをもてなす際、歓待の意味を込めて置かれていたこのプレートは、まさに店の顔ともいうべきもの。「海松紋は天草を代表するモチーフのひとつでもあり、どうしてもこの器でお客様をもてなしたいと思いました」と、同ホテル専務の松本秀彦さんは話します。白砂が多く透明度の高い松島の海と、波にたゆたう海松のディテールを出すために何度も試作を重ねたそうで、ようやく完成したときの感動は忘れられないといいます。

こうして生まれたプレートや、眼前の景色のうつろいとともに味わうランチは格別。季節の前菜にはじまり、天草の魚介や阿蘇のあか牛など、存分に熊本や天草の〝いま〟を堪能しました。

少し足を伸ばして天草下島へ。「高浜焼 寿芳窯」のギャラリーには、透明感のある白磁の器が並んでいます。中でも目を引くのが、さきほどレストランで出会った「海松紋」です。江戸時代中期に焼かれた古高浜焼の文様を復刻したもので、深めの小鉢やマグカップ、オーバル皿やフリーボウルなど、現代の食卓にコーディネートしやすいラインナップも人気の理由です。

高浜焼 寿芳窯

電話番号 (0969)42ー1115
住所 天草市天草町高浜南598
営業時間 8時30分~17時(絵つけ体験は9時~16時)
店休日 お盆と年末年始のみ
ホームページ http://takahamayaki.jp

天草 天空の船

電話番号 (0969)25ー2000
住所 上天草市松島町合津5984ー2
営業時間 11時30分~14時(OS13時30分)
店休日 なし(ランチ営業は土~月曜と祝日のみ)
ホームページ http://www.tenku-f.jp

※ランチは1名~、前日までの要予約