天草諸島北部に浮かぶ維和島へ。海を見渡す丘陵に点在する墳墓は、国内外の交易を行った海人(あまびと)たちのものだと言われ、この島に眠るロマンを思い浮かべるだけで胸がワクワクします。
山頂近くの「維和桜・花公園」は約100本の桜が彩る名所。その公園の片隅にひっそり佇むのが、「蔵々窯」の工房兼ギャラリーです。
美術教師を務め、天草の丸尾焼などで修業したのち、故郷・維和島で窯を開いた窯主の許斐良助さん。天草陶石を使った磁器と酸化鉄を組み合わせることで生まれる作品は、化石や浜辺の漂着物にも似た独特な風合いです。阿蘇の草原を模した大皿やユーモラスな動物のオブジェ、落花生やレンコンをかたどったリアルな箸置きに、紙コップそっくりのカップなど、どの作品も個性的。型にはまらない作陶ぶりは陶芸家というより、造形を楽しむ少年のようでもあります。
そんな許斐さんが始めた陶芸体験が今、密かに人気を集めています。土を練り、手やろくろで成形するというひと通りの工程を体験できるのですが、許斐さんの場合は体験も型破り。「昨日新しい豆を焙煎したから、まずは珈琲でも飲もうか。せっかくなら豆の焙煎もやってみる?」と、珈琲豆の焙煎体験から始まることもあれば、作陶の合間にお手製のパスタをふるまってくれる食事つき体験だったり、ギターを片手に見事な歌声を聴かせてくれたり。極め付きは、天草の島や橋を一望する絶景ポイントへのガイドだったり。生まれ育った維和島への愛が詰まったオリジナルの体験が目白押し。近くには温泉もあるので、ゆっくりと島時間に身を委ねてみるのもいいでしょう。
お気に入りの器を自分好みに彩る絵つけ
天草下島の北部、苓北町の「内田皿山焼」では絵つけを体験できます。好みの器を選んだら、あとは描くだけ。「自然界にあるものをモチーフにする人や、好きな言葉を描く人、キャラクターを描く人などさまざま。単純な模様を連続して描くだけでもおもしろい絵になりますよ」と教えてくれたのは、社長でありつくり手でもある木山健太郎さん。所要時間30分~1時間ほど、旅の思い出にもぴったりです。
高浜焼 寿芳窯
住所 | 天草市天草町高浜南598 |
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営業時間 | 8時30分~17時(絵つけ体験は9時~16時) |
店休日 | お盆と年末年始のみ |
電話番号 | (0969)42ー1115 |
ホームページ | http://takahamayaki.jp |
天草 天空の船
住所 | 上天草市松島町合津5984ー2 |
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営業時間 | 11時30分~14時(OS13時30分) |
店休日 | なし(ランチ営業は土~月曜と祝日のみ) |
電話番号 | (0969)25ー2000 |
ホームページ | http://www.tenku-f.jp |
※ランチは1名~、前日までの要予約